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夢に向かってチャレンジ!

No.266 添付文書

コンタクトレンズには添付文書があります。
この添付文書の適応患者の禁忌・禁止の具体例として、「定期検査を受けられない人」とあります。
ある眼科医からコメントを求められました。

定期検査という意識が全くない方に「定期検査を受けられない方は禁忌ですよ 」と話したところ、「どのような法律で決まっているのか」と聞かれたそうです。
その眼科医が調べたところ、薬事法に添付文書の記載事項に関する条文があったことと、厚生労働省から添付文書に関する通知が出ていたので薬事法違反ではないかと考えたようです。

私が考えるのはちょっと違います。以下に私見を述べます。

法的な解釈は難しいです。まず法律、行政通知、行政通達がそもそも何かを知っておかなければなりません。
法律は省略します。
通達は上級行政機関がその指導監督権に基づいて下級行政機関の権限行使ないし事務処理を指揮するために出す命令(訓令)を文書化したものです。
通知は上級行政機関から下級行政機関への通達でなく、行政の相手方(民間機関や個人)の協力得て、一定の行政目的が実現されるよう、一定の作為または不作為を求めるもので、指導する場合は、行政指導と理解されます。
法令以外は直接に国民の権利や義務を左右するものではありませんが、通達や通知は行政の解釈と理解されており、影響力は大きいです。
これらに基づい行政から不当な処分を受けた場合には、行政訴訟等を提起して、具体的処分の違法性を争うことになります。
(行政通達、行政通知は法律に基づいているのですが、これを守らなかったからといって法律違反というわけではありません。ただ医療関係者であれば行政処分を受けることがあり、それが不服であれば裁判することになりますが、こちらの主張を認めてもらうのはたいへんです。)

医薬品と医療機器であるCLは添付文書の意味合いは若干ちがうかもしれませんが、医薬品については医師が医薬品に書かれている内容を守らなかったことが原因で患者から訴訟を受けたケースがあります。最高裁まで行きましたが、医師が敗訴しました(http://seijo-law.jp/pdf_slr/SLR-053-201.pdf)。
このように医家向け添付文書については、医師が掲載されたことを守らなかったことで、問題が生じた場合には医師の裁量権よりも添付文書の内容が強いことを知るべきだと思います。
一方、添付文書に問題を掲載しなかったことが問題で製造メーカーが訴えられているケースもあります。

結論として、医師は添付文書に記されている内容を守るべきで、それを逸脱する場合には効果、効果、副作用、不具合等について、十分な説明を行い、患者からの了解が得られれば医師の裁量で行うことにはります。

患者が添付文書にかかれたことを守らなかったときは法律、行政通知、行政通達に違反するものではなく、問題がおこった場合には自己責任になります。

したがって、定期検査を受けなかった患者は添付文書の禁忌・禁止に該当しますが、法律違反をしているわけではありません。禁忌・禁止についてはコンタクトレンズを承認する際の条件として決められたもので、これは薬事法に基づいたということになります。
by Challenge-dream | 2012-03-24 17:26 | できごと